首都圏ネットワークグループ家族信託のカインドリー

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ケーススタディ

段階的な資産承継を決めておきたい

~皆を幸せに~

ケース

Aさんの家族(70歳)には、妻のBさん(60歳)と先妻との間に生まれた子Cさん(40歳)がいます。
Cさんは所帯を持ち、Aさんは、妻のBさんとの二人暮らしです。


Cさんは、AさんがBさんと再婚することに最後まで反対でした。
AさんからもCさんの気持ちは自然のことと思っていますが、自分が亡くなった時にBさんとCさんの間にいさかいが生じることだけは避けてもらいたいと願っています。

Aさんが所有する財産は、Bさんと暮らしている居宅とその敷地(合計で約1億円)のみです。

Aさんの希望は、
①自分が亡くなった後もBさんには自宅で生活を続けてもらいたい
②Bさんも亡くなった後は、Cさんに財産を受け継いでもらいたい
というものです。

そのためには、土地建物をCさんに相続させることとし、その条件として、Bさんが必要とする限りは賃料なしで生活を続けることを認める内容の遺言を残すことを考えました。
しかし、もともと仲が良くないBさんとCさんが、Aさんが亡くなった後に仲良く約束を守ってもらえるか、大きな不安があります。

Bさんは財産を相続できるわけではないので、Cさんに対して遺留分を主張することも大いに予想されます。
反対に、Bさんに土地建物を相続させ、Bさんには、Cさんに土地建物を相続させる遺言をしてもらうよう約束する方法もありますが、Bさんが約束を守ってくれる保証はありません。実は、AさんとBさんは共に再婚同士で、Bさんには先夫との間に子がいます(Dさん(40歳・男性))。

Aさんは、Bさんが実の子であるDさんに財産を残すために、約束を守ってももらえない可能性の方が大きいと考えています。そこで、自分が生存している間に、BさんからCさんに土地建物を相続させる遺言を書いてもらうことを考えました。
しがし、遺言は、後で撤回が可能であり、書き直しも出来ることを知り、Aさんの悩みは深いものとなりました。

このような場合に有用となるのが「家族信託」です。

ポイント

遺言を遺しても、相続人全員の同意による遺産分割協議が可能であり、この場合、被相続人の遺志は実現されないことになってしまう。
また、遺言は一代限りで、その後のことを決めることができない。
これに対して、家族信託を用いれば、遺留分をめぐる紛争を心配せずに、二代先までの資産承継を決めておくことが可能となる。

家族信託の内容

遺言や相続の制度における財産を承継できる権利にあたるのが、家族信託の「受益権」です。
法律上、受益権は、何代にもわたり承継することが認められています(ただし、信託の開始から30年経過した後に受益権を取得した者が死亡した時または30年経過時の受益権が消滅したときまでに限られます)。

Aさんの希望を叶えるために、妻のBさんに対し、Aさんの死亡後においても居宅で生活できる受益権を付与します。
併せて、居宅の土地建物の所有権を取得できる受益権をAさんの長男のCさんに付与することとします。

不動産の所有権を取得しないBさんは遺留分を侵害されているのではないか?との問題が生じる可能性がありますが、長男のCさんの受益権は不動産価格そのものではなく、Bさんの居住の利益・権利の価格を差し引いた価格にすぎません。必要とする限り建物に居住し、その敷地を利用する権利の価値は小さいものではなく、遺留分の問題は生じないことも多いでしょう(予め、BさんとCさんのそれぞれの受益権の評価を確認しておくとより安心でしょう。)。

Bさんは、生存し必要とする限り引き続き自宅に居住できる安心を家族信託の契約によって手に入れられました。
その上で、夫婦の生活が必要なくなった財産としての土地建物については、Bさんの死亡時に、不動産を利用のための受益権もCさんに付与するとしておくことで、Cさんに財産を承継してもらいたいというAさんの希望が実現できることになります。

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