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家族信託FAQ

受託者が権限のない行為をした場合はどうなるの?

受託者の権限違反と濫用について

受託者が権限の認められていない行為を行ったり、権限を濫用した場合には、その行為の相手方(売買の買主など)が、①信託財産について行われている取引であることを知っていて、②しかも、受託者の権限違反を知っている場合、または少し注意すれば権限違反が分かったはずといえる場合(重過失といいます)には、受益者から権限違反行為を取り消してなかったことにすることが認められています。

不動産など、登記・登録の制度がある財産の場合には、①については、実際に登記・登録がされている信託財産であるときに取り消しが認められています。
登記・登録の制度がある財産は価値も大きく、信託契約が結ばれた時には信託財産であることを示すための登記・登録がなされないことは通常はないでしょうから、信託財産の登記・登録がない財産の取引の相手方は、信託とは関係のない受託者との取引だと信頼するのも無理はないと考えられた結果のルールであると思われます。

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